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先物とオプションの違い

先物とオプションの違い
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金利先物およびTIBOR入門―ユーロ円金利先物を中心に―

1.はじめに
本稿では金利先物の仕組みを説明することを目的としています。金利先物は短期金利を原資産とした先物になりますが、各国通貨に基づいた金利先物は活発に取引されており、特にユーロドル金利先物は世界で最も流動性がある先物の一つとされています。もっとも、「金利指標改革入門」で説明したとおり、LIBOR(London Interbank Offered Rate)不正操作を発端として金利指標改革が始まり、LIBORの代替的な指標が採用されました。これに伴い、ユーロドル金利先物など世界中の金利先物が変更を迫られています。
本稿では金利先物の基本的な設計を説明した後、我が国で取引されている金利先物であるユーロ円金利先物について説明を行います。ユーロ円金利先物の有する最大の特徴は、原資産がユーロ円TIBOR(Tokyo InterBank Offered Rate)である点です。TIBORの算出方法はLIBORと基本的には同じですが、LIBOR消滅以降も存続することからLIBORの代替金利として現在注目を集めている金利指標といえます。そのため、本稿ではTIBORの歴史的な流れや制度に加え、近年の指標改革など包括的な説明を行います。海外の金利先物については紙面の関係上、次回の論文で解説します。
なお、筆者がこれまで執筆してきた一連の債券入門シリーズについては金利指標改革などを含め、筆者のウェブサイトにまとめて掲載してありますので、そちらもご参照いただければと思います*2。

2.2 IMM指数方式
金利先物の最大の特徴は、クオート(価格の提示)の仕方にあります。先ほどは3%という例を用いましたが、実際には3%という形で価格が付されてはおらず、97という価格が付されています。実は、金利先物では「100-金利」という指数を作り、その指数でクオートがなされます。例えば金利先物に97という価格がついていた場合、これは先物金利が3%(=100-97)ということを意味します。このようなクオート方法を「IMM指数方式」といいます(「100-金利」をIMM(International Monetary Market*4)指数といいます)。
例えば、9月に決済を迎える金利先物(9月限*5)の価格が97であったとします。この場合、先物金利が3%(=100-97)になりますから、この価格で金利先物を購入した場合、9月からの一定の短期間(典型的には3か月間)の金利を年率3%で予約できるというイメージを持つことが大切です。注意すべき点は、この表示方法は単なる慣習にすぎない点です。タックマン(2012)でもIMM指数は「慣習的な表示方法以上の意味はない」、「割引債の価格を示すものではない」(p.先物とオプションの違い 353)と注意を促しています。
このような独特なクオートが用いられている歴史的経緯は次のようなものです。そもそも債券の初学者にとって、金利と価格が逆の動きをすることは理解しにくいとされます。国債先物の場合、原資産が国債ですから価格の動きと損益が一致しますが、金利先物については原資産が短期金利ですから金利の動きと(価格の動きから決まる)損益が逆になります(国債先物の場合、150円などの価格がついていますが、これはクーポンが6%の仮想的な証券が上場しており、先物価格はその架空証券の価格でした*6)。そこで、金利先物の価格を「100-金利」とすることで先物価格の上昇(下落)が利益(損失)と一致することとなり、直観的な解釈ができるわけです。
金融先物のいわば創始者ともいえるシカゴ・マーカンタイル取引所(Chicago Mercantile Exchange, CME)のレオ・メラメド氏は自身の著書(メラメド(1997))で、金利と価格が逆に動くことが投資家にとってわかりにくいことから、専門家で構成される委員会を作り、討議を重ねたとしています。当時は政府短期証券先物を設立するうえで議論がすすめられたのですが、その過程でIMM指数が提案されました。メラメド氏は上述のわかりやすさの観点から金利先物においてIMM指数が採用されたと説明します。メラメド氏は「このIMM指数の方式は、政府短期証券ばかりか、譲渡性預金証書(CD)や、ユーロドルについても適用され(中略)、世界中の金利先物取引の標準型となった」(p.22)としています。

2.3 金利先物とフォワードの関係
前述のとおり、先渡(フォワード)と先物の本質的な違いは前者が相対取引であり、後者が取引所取引であるという点でした。そのため、再度強調しますが、フォワードと先物は将来を「予約する」という観点では違いはありません。フォワードについては服部(2019)で比較的丁寧に説明しましたが、ここでは改めてフォワードの価格(金利)がどのように形成されるかについて具体例を用いて確認します。
例えば、読者が3か月後に資金調達をする必要があり、そこから3か月間の金利を予約したいとします。その際、現在の3か月金利が1%であり、6か月金利が2%であるとしましょう。この場合、3か月後スタートの3か月フォワードの価格(金利)は次のようなロジックで決まります。まず、読者は利回り2%の6か月債を100円で発行するとします*7(図表1 3か月後スタートのフォワードのキャッシュ・フローの複製の左上)。もっとも、読者は3か月後に資金が必要であるため、最初の3か月はその資金は必要ありません。そこで、その資金を1%の3か月債で運用するとします(図表1の左下)。これを組み合わせると、図表1の右側のようなキャッシュ・フローが生まれます。すなわち、(100円調達してすぐに3か月債で運用するため)今から3か月間はキャッシュを持っていませんが、3か月後に3か月債が100円償還することで100円のキャッシュが得られます。このことは3か月後に100円資金調達をした事と同じ意味を持ちます。一方、6か月債を発行していたことを考えると、6か月後に100円を返済することになります。これらを考えると、(1)6か月債を100円発行すると同時に、(2)3か月債で運用することは、3か月後に3か月間100円調達するキャッシュ・フローを複製できていることになります。
このポジションを作るために読者は金利負担が発生しますが、このコストがこの予約取引のためのコストと解釈することが自然です(ここで複製したキャッシュ・フローとフォワードのキャッシュ・フローは同一ですから、両者のコストに差があると裁定機会が発生します)。この事例では6か月債の発行により年率2%でコストを負担する一方、3か月債への運用により1%の利回りが得られますから、(6か月債を発行して3か月債で運用するというポジションは)年率3%のコスト負担が発生します*8。このコストは3か月後に3か月間100円調達するキャッシュ・フローを作るうえで必要となるコストですから、3か月後の資金調達を予約した場合の金利(3か月先3か月間のフォワード・レート)は3%と解釈できます。このことからフォワードのプライスはイールドカーブの形状により決定されることがわかります。
前節で3%で予約する事例をあげましたが、(3か月後スタートの事例ではありますが)このケースも将来の短期間の調達コストを3%で予約できるという取引です。繰り返しになりますが、フォワード契約と金利先物は前者が店頭取引、後者が取引所取引という制度的な違いはありますが、その違いを捨象すれば金利先物を購入することは、上述のポジション(6か月債発行+3か月債ロング)と同じキャッシュ・フローをもたらすがゆえ、先物のプライスも(フォワードと同様)イールドカーブの形状(この事例では3か月金利が1%であり、6か月金利が2%)で決定されると理解することが大切です(繰り返しますが先物価格はあくまで「100-短期金利」でクオートされていると意識することが大切です)。実際に先物を買った際にどのように予約できているかはユーロ円金利先物を用いた事例で後ほど説明します。
ちなみに、ここでは先物とフォワード(先渡)の違いについて焦点を当てていませんが、両者には証拠金の有無などの違いがあります。先物と先渡の違いについては服部(2020a)で詳細に説明していますので、関心がある読者はそちらを参照してください。

2.4 金利先物のその他の特徴
長期にわたる限月の設定
金利先物が有するその他の特徴を確認します。まず、金利先物の大きな特徴は、長期にわたり限月が設定されており、その限月に流動性がある点です。典型的には、3,6,9,12月を満期していますが(毎月設定されるケースもあります*9)、例えば、ユーロドル金利先物などは5年後など満期が遠い限月についても活発に取引がなされています。この事実を初めて知った筆者は非常に驚いたことを今でも覚えています。例えば、3年後の金利先物に流動性があれば、実際の投資家が3年後の短期金利についてどのような予測をしているかを直接観察することができますから、例えば中央銀行の金融政策に関する予測など、多面的な分析ができます(もっとも、後述するとおり、日本の金利先物は流動性が低い点には注意が必要です。海外の金利先物については次回の論文で取り上げます)。
多彩なストラテジー戦略
満期が遠い限月まで売買されている金利先物の特徴として多彩なストラテジー取引が挙げられます。例えば、カレンダー・スプレッド取引は任意の二つの限月の買いと売りを組み合わせた取引です。また、金利先物では、連続する4限月(1年分)をまとめて取引するパック取引や、連続する8、12、16、20限月をまとめて取引する(例えば直近の限月から2年後や4年後までの先物をまとめて取引する)バンドル取引などのストラテジー戦略もあります*10。
満期については年ごとに配色コードが付されています*11。具体的には図表2 金利先物の配色コードと年限のように満期が1年未満の先物については白、満期が1年以上2年未満は赤などの形で配色が付されています。配色コードは実際の取引やブルームバーグの機能など様々な場面で用いられます(実務家の資料などでも説明なく配色コードがでてきます)。前述のパック取引でも用いられており、例えば、ホワイト・パックであれば第1から第4限月をまとめて売買することを意味します。

3.1 ユーロ円3ヵ月金利先物(ユーロ円金利先物)とは
日本においては現在、東京金融取引所(Tokyo Financial Exchange, TFX)においてユーロ円3ヵ月金利先物(いわゆるユーロ円金利先物)が取引されています。この先物の最大の特徴は原資産が3か月のユーロ円TIBORである点です(実務家はユーロ円TIBORを「ZTIBOR」といいます)。歴史的には1980年代後半に、東京金融取引所(当時は東京金融先物取引所(Tokyo International Financial Futures Exchange, TIFFE))でユーロ円金利先物が作られましたが、当時は他国において円LIBORを原資産とする金利先物が取引されていたため、その差別化という観点で我が国の金利先物はユーロ円TIBORが原資産とされました*13。TIBORにはユーロ円TIBOR以外にも日本円TIBOR(実務家はこちらを「DTIBOR」といいます)が存在していますが、TIBORそのものについては4節で詳細に説明します。
図表3 ユーロ円3ヵ月金利先物の商品性がユーロ円3か月金利先物の商品性です。原資産(取引対象)はユーロ円TIBOR(3か月)であり、想定元本は1億円です。金利の計算のデイカウント・コンベンションはAct/360*14です。最小変動幅(価値)は0.005円(0.5銭)ですが、想定元本が1億円であるため、読者が1枚ポジションを持った場合、1bps動くと2,500円の損益が発生します(表では1,250円と記載していますが、最小呼値に基づいたTFXの記載を用いています)。
この関係を簡単な数値例で確認します。例えば、現時点で先物金利が1%であったとして、読者が1枚だけロングしたとします。翌日、仮に1.01%へ金利が上昇した場合、(金利と価格は逆の動きをするため)先物の買い手は損失を計上することになります。具体的には、ユーロ円金利先物の場合、将来の3か月間を予約する取引でしたから、3か月後において、本来は1%であった金利が、1.01%に上昇したと理解できます。ユーロ円金利先物の想定元本は1億円であり、金利の計算がAct/360であることに注意をすると、
という形で1bps金利が動いた時に2,500円だけ機会損失が発生することが確認できます。金利が固定される期間が3か月であることから、デュレーションを0.25とすれば、金利が1bps上昇した場合、1億円×0.25×1bps=△2,500円という形で確認することもできます(デュレーションやこの計算の詳細については筆者が記載した「金利リスク入門」を参照してください)*15。
最終取引日は限月の第3水曜日の2営業日前です*16。限月の設定については3、6、9、12月ですが、20限月(5年間)設定されています。例えば、2022年3月限については、取引開始日は2017年3月14日であり、取引最終日は2022年3月の第3水曜日の2営業日前になります。取引時間については、「8時45分から11時30分」および「12時30分から15時30分」に日中取引があり、「15時30分から20時00分」が夜間取引になります。
前述の取引最終日まで転売又は買戻しが行われなかった場合は差金決済がなされますが、その際は「最終決済価格」が用いられます。最終決済価格は、「100-TIBOR」で定義されます*17。例えば、取引最終日のTIBORが0.12786%であれば、ユーロ円3ヵ月金利先物の最終決済価格は、99.872(100-0.128%=99.872)になります*18。
筆者の「日本国債先物入門」で記載したとおり、値洗い(Mark to Market)は金融先物の重要な特徴ですが、ユーロ円金利先物では取引日ごとに清算価格を定め、その清算価格に基づき、すべての建玉を時価評価します。清算価格はその日の約定価格と取引数量で加重平均した値が用いられます。
実務家はブルームバーグを使うことが少なくありませんが、ユーロ円金利先物についてはYEというコードがあり、限月であるH(3月限)、M(6月限)、U(9月限)、Z(12月限)と組み合わせて用います*19。例えば、2019年6月限であるとYEM19、2021年12月限であるとYEZ1というティッカーがあります。YE1は中心限月を繋いだティッカーです*20。なお、ブルームバーグ端末で「YEA Commodity CT」を叩くと、限月一覧で色分け(前述の配色コード)されて表示されます。

3.3 ユーロ円3ヵ月金利先物はどの期間の予約(予測)をしているか
詳細は後述しますが、TIBORはLIBORと基本的には同じように定められるため、TIBORは「前決めターム物金利」という特徴を持ちます。服部(2021a)で説明した通り、前決めターム物金利とは、現時点で将来にわたる(例えば3か月間の)金利が確定するという特徴を有しますから、9月限のユーロ円金利先物を購入するとは、(原資産が3か月ZTIBORであることを考えると)9月からの3か月間の金利を予約することになります。そのため、3月限であれば3月から始まる3か月金利、6月限であれば、6月から始まる3か月金利を予約した取引と解釈できます。言い換えれば、金利先物の場合、各限月が特定の3か月の予約になっており、その予約期間が重複しないという特徴があります(図表4 各限月と予約(予測)期間の関係を参照)*22。そのため、予約金利を「予測」と解釈すれば、金利先物の価格をみるだけで、長期にわたり、特定期間の3か月金利に関する投資家の予測を直接観察できることができます。
このことから海外の市場では金利先物の価格に立脚して中央銀行の利上げ・利下げ予測をする傾向があります(金利先物を利用した利上げ・利下げ予想については次回の論文でフェデラル・ファンド金利先物(いわゆるFF金先)の事例を用いて説明します)。もっとも、円金利の利上げ予想については後述する流動性の観点からユーロ円金利先物は用いられずオーバー・ナイト・インデックス・スワップ(OIS)のカーブに基づいてなされる傾向にあります(OISや金利スワップについては筆者が執筆した「金利スワップ入門」や「リスク・フリー・レート入門」を参照してください)。

3.4 ユーロ円3ヵ月金利先物の流動性
ユーロ円金利先物の特徴は、日本国債先物やユーロドル金利先物などに比べて流動性が低い点です。たとえば日本国債先物の場合、一日あたり2兆円を超える売買がありますが、ユーロ円金利先物の場合、ほとんど取引がなされない日も少なくありません(したがってユーロドル金利先物やFF金先とは異なり、長期の限月について流動性があるわけではありません)。制度的にはユーロ円金利先物のオプションもありますが、こちらについては全く流動性がありません。
ユーロ円金利先物の流動性が上がらない(と筆者が考える)最大の理由は、日本では長年低金利政策が実施されていることから、そもそも短期金利に変動がなく、それをヘッジするニーズが相対的に少ない点です。図表5 ユーロ円金利先物および同オプションの取引高(枚)の推移はユーロ円金利先物の1日の平均取引高(枚)を示していますが、ユーロ円金利先物の導入以降、数年間は売買が拡大していきましたが、低金利政策に伴い売買が低下していきます。量的緩和解除以降、再び売買が増加していきますが、2009年以降再度低下していき、足元ではほとんど売買がされていない状況が続いています。
我が国の金利先物の歴史をみると、様々な先物の上場を試すものの流動性が向上せず停止することが少なくありません。例えば、6か月円LIBORを原資産とする「LIBOR6か月金利先物」を2012年1月に上場させていますが、その後取引高がゼロの状態が続き、2014年から売買を停止しています。円金利スワップ先物も、2003年に上場しましたが、2007年に休止しています*23。我が国で先物の流動性が生まれないことは金利先物だけでなく、国債先物でも見られています(例えば超長期国債先物は日本取引所グループが度々上場を試みるものの流動性がない状況が続いています)。国債先物に比べ、金利先物の場合、特に短期金利を原資産としているため、2000年以降、基本的には緩和的な金融政策が続いている中、短期金利が変化するリスクは少なく、金利先物を取引する需要は相対的に低い状況が続いています。そもそも上場した先物の流動性が上がらないこと自体は様々な国で見られています(海外の事例は次回の論文で取り上げる予定です)。
ユーロ円金利先物の別の問題は、価格そのものが短期的にデジタルな動きをするなど特徴的な動きをすることがある点です。確かに長期的なトレンドをみると国債の3か月金利とユーロ円金利先物の間には高い相関がありますが、短期的には不規則な動きをする傾向が見られます。そのため、証券会社のトレーダーなどマーケット・メイカーにとってユーロ円金利先物は、例えば短期国債のマーケット・メイクや入札時におけるヘッジ手段として使いにくいと考えることも少なくありません。
このように流動性に問題を抱える我が国の金利先物ですが、我が国では無担保コール翌日物金利(Tokyo OverNight Average rate, TONA)がLIBORの代替金利として特定されたことから、TONAを原資産とした金利先物(無担保コールオーバーナイト金利先物)の活発化が中長期的に求められているともいえます(TONAの詳細は筆者が執筆した「リスク・フリー・レート入門」を参照してください)。TONA金利先物については、TFXにおいて2017年7月に取引は停止された一方で、取引のニーズが見られ始めた場合には速やかに取引の再開を検討するとしています*24。

4.TIBOR(Tokyo InterBank Offered Rate)とは

4.1 TIBORとは
ここからユーロ円金利先物の原資産であるTIBORについてより詳細に考えていきます。そもそもTIBORとは、Tokyo InterBank Offered Rateの略であり、円LIBORと類似した投票に基づく金利指標です。TIBORが近年注目を集めている背景には、LIBORが(ドルの一部テナーを除き*25)2021年末をもって公表を停止するなか、2022年以降も継続して公表されることがあります。円LIBORと基本的に同じ構図をとるため、TIBORは「前決めターム物金利」というLIBORと全く同じ特性を有することから、実務的に使いやすいといえます(後決め金利が実務的に使いにくい点は、服部(2021b)で詳細に説明しました)。
TIBORについてもLIBORと同様、レファレンス・バンク(パネル行)が金利を提示することで算出されます。TIBORの場合、呈示されたレートのうち、最も高いレートを呈示した2社の値、および、最も低いレートを呈示した2社の値を除外したものを母数として、単純平均したレートを公表しています。その意味では、LIBORと若干算出方法が違いますが、一部をカットした平均(トリム平均)を用いている点は共通しています。TIBORについては1週間物、1か月物、3か月物、6か月物、12か月物の5つの期間(テナー)が算出されています。
前述のとおり、TIBORの特徴は、「日本円TIBOR」と「ユーロ円TIBOR」という二種類ある点です(実務家は前者を「DTIBOR」、後者を「ZTIBOR」と呼びます)。両者の違いは図表6 日本円TIBORとユーロ円TIBORの比較にまとめられていますが、大きな構造は同じであるものの、前者は国内で決定される一方、後者は「ユーロ円」という名称のとおり、日本国外(オフショア)で金利が定められます。歴史的にはユーロ円TIBORが1980年代、金利スワップ市場が拡大する中で作られます。もっとも、かつては通信社などが独自に算出しており、その値がバラバラであるなどの問題を有していました。これらを背景に、1998年から全銀協が一本化して公表することとなりました。一方、日本円TIBORは1995年から全銀協が集計して公表しています。
ユーロ円TIBORは図表6にあるとおり、360日ベースになっていますが、もともとは他の円金利のように365日が用いられていました。もっとも、この慣習は当時、短期金融市場の国際的な取引実態にそぐわないと指摘されていました。1990年代は日本における金融ビックバンが進められており、国際基準に従うという機運もあったことから、1998年から全銀協が一本化して公表するタイミングで、全銀協の算定方式を360日基準に見直しています(日本円TIBORについては今でも365日ベースが用いられている点に注意が必要です)*26。
ちなみに、後述するTIBOR改革の結果、現在はユーロ円TIBOR、日本円TIBORともに全銀協TIBOR運営機関(JBATA(ジャバタ))が算出を行っています。また、ユーロ円TIBORは将来的に廃止し、日本円TIBORに一本化する方向で検討することとなっています(こちらも詳細は後述します)。

4.2 TIBOR改革
TIBORにおいて重要な点は、前述のとおり、国際的にはLIBORが(ドルの一部テナーを除き)2021年末をもって停止する中、TIBORは2022年以降も継続して公表される点です。その意味で、LIBORとは異なり、2022年以降も、TIBORを活用することができます。しかし、服部(2021)で指摘してきたとおり、LIBORの公表停止は構造的な問題であり、LIBORの算出方法と本質的に同じことを考えると、LIBORが公表停止されるにもかかわらず、TIBORがLIBORの代わりとして活用されるとすれば、読者からすれば不思議な気がするかもしれません。
その一方で、LIBORに似た指標金利が存続するという現象は我が国だけではない点にも注意が必要です。例えば、欧州では欧州銀行間取引金利(EURo InterBank Offered Rate, EURIBOR)が存在していますが、EURIBORはTIBORと同様、2021年以降も残ります(EURIBORはEuroのLIBORより流動性があるとされています)*27。LIBORについては改革を実施した上でも公表停止し後継金利への移行を目指すべきとの判断がなされた一方、TIBORやEURIBORでは改革を行って頑健性を向上させた上で公表を継続するという異なるアプローチがとられたと言えます。
TIBORについても、LIBOR同様、国際的な議論*28を踏まえた改革が進められてきました。具体的には、2013年に金融庁が「金利指標の規制の在り方に関する検討会」を実施し、国際的な議論の動向も踏まえ、2015年5月、金融商品取引法に「金融指標に関する規制」が導入されました。LIBORについては英国銀行協会 先物とオプションの違い (British Bankers Associations, BBA)からインターコンチネンタル取引所(Intercontinental Exchange, ICE)へ算出機関が変更しましたが、TIBORについても、TIBORを算出していた全銀協が全銀協TIBOR運営委員会を立ち上げ、利益相反を防ぐために、前述のJBATA*29という独立機関が設立されました。それに伴い、TIBORを構築するうえで順守すべき諸々の規定が作られました。2017年7月から全銀協TIBOR改革の実施がなされています。
服部(2021a)でLIBOR改革において「ウォーター・フォール構造」の導入がなされた点を説明しましたが、TIBORについても同様の措置がとられています。図表7 TIBOR改革後におけるTIBOR算出のイメージに記載しているとおり、各レファレンス・バンクごとに、ウォーター・フォール構造に基づき、市場の実勢に反映したレートを算出します。そのレートを各行がJBATAへ提示し、そこからトリム平均をとることでTIBORを算出するわけです。
ウォーター・フォール構造は、服部(2021a)で説明したとおり、実際の取引に近い値から採用してく方法です。日本円LIBOR(DTIBOR)について詳細は図表8 日本円TIBOR(DTIBOR)のウォーター・フォール構造に記載されていますが、順位1から順位3まで順番にみていき、データが存在するところで提示レートを決定します。順位1から順位3の値が得られない場合に限って、専門家判断が利用されることになっています*30(一方、服部(2021b)で強調したとおり、東京ターム物リスク・フリー・レート(Tokyo Term Risk Free Rate, TORF)では専門家の判断がない点が特徴でした)。JBATAは、「呈示レートの算出・決定において、実際の取引データをはじめとした各種データを優先順位に沿って参照する『ウォーターフォール構造』を導入することで、恣意的なレートの操作を行う余地を極力排除した、客観的なプロセスを実現しています」*31と説明しています。

4.3 日本円TIBORとユーロ円TIBORの違い
前述の通り、TIBORには日本円TIBOR(DTIBOR)とユーロ円TIBOR(ZTIBOR)がある点も大きな特徴です。基本的に同じ設計がなされていますが、若干違う点に注意が必要です(後述しますが、値そのものは近年その乖離が拡大しています)。前述のとおり、DTIBORは国内の無担保コール市場の実勢を反映すると解釈される一方、ZTIBORの場合、オフショア市場の実勢を反映していると解釈されます。
これ以外の点でも両者には違いがあります。例えば、DTIBORとZTIBORではレファレンス・バンクが若干異なります。レファレンス・バンクは変化しうるものですが、2020年度についてDTIBORは15行、ZTIBORは14行であり、前者に比べ、後者は外国の金融機関がより多く含まれるなどの特徴があります*32。
DTIBORは国内の無担保コール市場、ZTIBORはオフショア市場の実勢を反映すると説明しましたが、これに伴い、ウォーター・フォール構造も異なります。具体的には、第1層で参照している市場が、DTIBORの場合、無担保コール市場を参照する一方、ZTIBORは本邦オフショア市場を参照しています*33。図表8はDTIBORのウォーター・フォール構造を示していますが、ZTIBORのウォーター・フォール構造を図8を用いて説明すると、第1層と第2層が入れ替わるイメージです。
DTIBORとZTIBORのどちらが良く活用されるかはケース・バイ・ケースです。邦銀の貸出という意味では、DTIBORの方が良く使われるという意見もありますが、前述のとおり、ZTIBORは我が国で取引されている金利先物の原資産になっており、市場参加者の注目はこちらの方が高いと見ることもできます。
その一方で、前述のとおり、JBATAは、ZTIBORを廃止し、DTIBORに一本化する方向で検討を進める予定です。JBATAは、証券監督者国際機構(International Organization of Securities Commissions, IOSCO)が2013年に公表した金利指標に関するIOSCO原則の遵守状況について年次で自己評価を行っており、同原則を遵守している一方、原則7(データの十分性)および原則13(移行)に関して一部課題を認識しており、これらの項目に関する改革の検討を進めています。このデータの十分性の観点から、本邦オフショア市場の長期的な縮小傾向も踏まえて2018年10月にはZTIBORとDTIBORの統合について市中協議を実施し、2019年5月にはDTIBORへの一本化を最も有力な選択肢として検討を進めることとしています。なお、具体的なZTIBOR廃止の時期としては、現時点では2024年12月末が想定されています*34。

参考文献
[1]服部孝洋(2019)「イールドカーブ(金利の期間構造)の決定要因について―日本国債を中心とした学術論文のサーベイ―」ファイナンス10月号、41ー52.
[2]服部孝洋(2020a)「日本国債先物入門―先渡と先物価格の乖離を生む要因―」『ファイナンス』3月号、37ー41.
[3]服部孝洋(2020b)「金利リスク入門―デュレーション・DV01(デルタ、BPV)を中心に―」『ファイナンス』10月号、54ー65.
[4]服部孝洋(2021a)「金利指標改革入門―店頭(OTC)市場とLIBOR不正操作問題について―」『ファイナンス』11月号、10ー19.
[5]服部孝洋(2021b)「リスク・フリー・レート(RFR)入門-TONA,TORF,OISを中心に-」『ファイナンス』12月号、14ー24.
[6]服部孝洋・日本取引所グループ(2021)「国債先物入門」
[7]ブルース・タックマン(2012)「債券分析の理論と実践(改訂版)」東洋経済新報社
[8]ジョン・ハル(2016)「フィナンシャルエンジニアリング〔第9版〕―デリバティブ取引とリスク管理の総体系」きんざい
[9]レオ・メラメド(1997)「エスケープ・トゥ・ザ・フューチャーズ―ホロコーストからシカゴ先物市場へ」ときわ総合サービス出版調査部
[10]Burghardt, G. (2003)“The Eurodollar Futures and Options 先物とオプションの違い Handbook” Irwin Library of Investment & Finance.

これを知らなきゃはじまらない 先物・オプション取引9つの基礎知識

先物取引とは?

先物取引とは、 あらかじめ決められた日(期日)に、日経平均株価などの指数を決められた価格で売買する取引 です。例えば、日経225先物は、日経平均株価という株価指数を売買することで収益を狙う商品で、株価が上がると予想した場合は買い、反対に安くなると思ったら売ることにより利益を狙います。

オプション取引とは?

オプションとは「権利」のことです。オプション取引は、 先物とオプションの違い 将来の決められた日にち(満期日)にあらかじめ決められた価格で買う(売る)「権利」を売買する取引 です。買う権利のことを 「コールオプション」 、売る権利のことを 「プットオプション」 といいます。 先物取引が売買の契約なのに対し、オプション取引は権利の取引 になります。オプション取引ではコールの買いと売り、プットの買いと売りの4種類を組み合わせることで、お客さまの投資スタイルに合ったさまざまなポジションを取ることができます。

先物・オプション取引の魅力~レバレッジ効果

先物・オプション取引は、少ない資金でテコの原理のように投資資金に対して大きな利益を狙えます。これを レバレッジ効果 といいます。例えば、日経225先物を取引する際の1枚あたりの証拠金が150万円、日経平均株価が25,000円の場合、レバレッジは約17倍(25,000×1,000÷1,500,000)となります。レバレッジが約3倍の信用取引に比べて、先物・オプション取引は一段と資金効率の高い投資手段といえます。また、 auカブコム証券の場合は証拠金として、現金のほか株式・投資信託も使用することができ、保有資産の有効活用にもつながります。

先物・オプション取引の魅力~個別銘柄選びが不要

先物・オプション取引の 代表的な指数として、日経平均株価が挙げられます。 日本の代表的な株価指数で、テレビのニュースなどでよく見聞きすることがあるかと思います。 代表的な指数は情報収集が容易で、銘柄選びに悩むことはありません。 株式や信用取引とは異なり個別企業の倒産リスクも回避できます。

先物・オプション取引の魅力~利益を狙うチャンスが大きい

先物取引は、信用取引と同じように 「売り」からも取引を始めることができます。 相場が先行き下落すると予想される場合は、まず売りを入れ、予想通り相場が下落したところで買戻せば、相場の下落局面でも利益を得ることができるのです。また、 信用取引で必要になるコスト(金利・貸株料・逆日歩など)はかかりません。
オプション取引は、コール・プット、買い・売りを組み合わせる他、保有資産の値下がりに対するリスクヘッジとして利用することもできます。また、 株価が変動局面だけでなく、変動幅が小さく横ばいの相場が続くと予想したときにも利益を上げることができる のも魅力の一つです。 先物とオプションの違い

先物・オプション取引にはどんなコスト・税金がかかるの?

取引手数料のほか、先物・オプション取引で発生した売買益は、雑所得として 申告分離課税20.315%が適用 されます。その年の1月1日から12月31日までの1年間に発生した売買差益を計算し、翌年の2月中旬から3月中旬の 期間内に確定申告すること が求められています。また、FXやCFDなどの店頭デリバティブ取引と損益通算ができ、その年に控除しきれない損失については、毎年確定申告することで、 翌年以降3年間にわたり繰越控除が可能 です。

先物・オプション取引のはじめ方

先物・オプション取引をはじめるには、 証券会社で先物・オプション取引口座を開設する必要があります。 先物・オプション取引口座を開設するには、取扱証券会社の証券口座が必要です。証券口座開設後、先物・オプション取引口座を開設します。証券口座開設後は、ログイン後ページで、同意書の確認・WEB審査・当社での最終審査とわずか3ステップで先物・オプション口座を開設できます。 auカブコム証券なら、口座開設料・口座管理料は無料です。

先物・オプション取引にはいくらお金が必要?

取引するためには 証拠金が必要 となります。取引に必要な最低資金(必要証拠金)は、一週間ごとに変動します。例えば、2022年3月15日現在「日経225mini」の必要証拠金は150,000円、「日経225先物」の必要証拠金は150万円です。なお、取引で生じた損益は、証拠金に反映され、 損失が生じると証拠金が減ることになるので、余裕を持ったお取引をお勧めします。

先物・オプション取引の気をつけることは?

先物・オプション取引には 株式投資に無い特有のリスク 先物とオプションの違い があり、対象となる指数が予想と反して変動した場合、損失が発生します。相場の急激な変動などにより投資元本より大きな金額の損失を被ることがあります。証拠金に不足が発生した場合には、証券会社の定める時限までに追加の証拠金(追証)を差し入れなければ、取引を継続できなくなり、強制的に決済されることがあります。まずはHPなどで商品の特性をしっかりと理解し、 リスクを抑えて取引することが必要 です。

高機能トレーディングツール

補足

東証REIT指数先物は、「先物・オプション取引サイト」のみでの取扱となります。

取引の単位/呼値の単位

取引の単位/呼値の単位(立会市場)

呼値の単位(J-NET市場)

  • 日経225先物
  • ミニ日経225先物

補足

J-NETクロスを「優先する」設定で発注し、J-NET市場で約定した場合は、上記呼値単位となります。注文入力時は、J-NET市場の呼値単位は指定できませんのでご注意ください。

取引時間、注文受付開始/停止時間

プレの時間帯の注文について

  • 8:00~8:45(指数先物・オプション)
  • 8:00~9:先物とオプションの違い 00(日経平均VI先物)
  • 16:15~16:30
  • 指値(FOK)
  • 成行(FOK)
  • プレ・クロージング
    15:10~15:15、05:55~06:00
  • 先物とオプションの違い
  • サーキットブレーカー発動中
  • HYPER先物コースのご利用中は、引成は利用できません。
  • 発注の状況は、当社の先物・オプション取引サイトの「取引状況>注文一覧」画面、またはHYPER SBIの「注文一覧>注文照会」画面でご確認ください。

ノンキャンセル・ピリオドについて

先物とオプションの違い 先物とオプションの違い
ノンキャンセル・ピリオドの時間帯
寄付前1分間 引け前1分間
日中セッションの場合 8:44~8:45 なし
ナイトセッションの場合 16:29~16:30 05:59~06:00

引け間際の注文について

補足

条件付注文における子注文とは、逆指値やIFD注文のように、ある条件を満たした場合に自動的に発注される注文を示します。

取引手数料

委託手数料

注文種別/執行条件/執行数量条件

注文の有効期間/有効期限

注文の有効期間について

補足

バスケットに登録されている注文は、毎セッション終了後に自動的にリセットされます。あらかじめご了承ください。

「期間指定」「最終日まで」注文の有効期限について

  • 指値価格が制限値幅範囲外となった場合(日中立会終了後に失効となります)。
  • 先物とオプションの違い 先物とオプションの違い
  • 追加証拠金発生後、受入期限までに委託証拠金の差し入れが確認できなかった場合(受入期限の翌営業日日中立会寄付前に、自動で注文が取り消されます)。
  • その他、取引所の失効事由に該当した場合や、取引ルールの変更などが行われた場合(あらかじめ設定した期日に、自動で注文が取り消されます)。

補足

追加証拠金が発生しても、すでに発注されている期間指定注文については、上記記載のとおり有効な注文としての取扱になりますのでご注意ください。

SPAN証拠金額

当社SPAN証拠金

補足

SPAN証拠金に対する掛目は、指数/有価証券価格の変動状況などを考慮のうえ、与信管理の観点から、当社の独自の判断により一律、またはお客さまごとに変更されることがあります。

必要委託証拠金

補足

  • 必要委託証拠金は、取引所の規制や当社の独自の判断などによって変更されることがあります。
  • 当社の定める証拠金所要額は、取引所の定める証拠金所要額に、発注済の注文や当日約定された取引などを考慮して算出された額となります。
  • 必要委託証拠金については、WEBサイト上の必要委託証拠金として表示しており、当日の注文を反映して随時変更されます。
  • 当社SPAN証拠金(発注済の注文などを加味したSPAN証拠金)、およびネットオプション価値の総額は、発注や約定ごとに再計算されます。
  • オプション取引の場合、発注分のネットオプション価値(Net Option Value)は上記計算式に含まれません。このため、約定後に必要委託証拠金が受入証拠金よりも多くなり、余力(「受入証拠金」-「必要委託証拠金」-「拘束金額」)がマイナスとなる可能性がありますのでご注意ください。
  • オプションの注文を発注する際に、すでに先物やオプションの注文、または先物やオプションの建玉がある場合は、発注時に必要証拠金が増加して注文が受付できないことがあります。その場合は、注文画面で余力不足のメッセージが表示され、注文にかかる余力がいくら必要なのか提示される具体的な金額をご確認ください。なお、表示されたメッセージ内の金額から先物・オプション余力を差し引いた金額が、不足している余力分となりますので、ご了承ください。

維持証拠金

補足

  • 維持証拠金は、取引所の規制や当社の独自の判断などによって変更されることがあります。
  • 当社の定める証拠金所要額は、取引所の定める証拠金所要額に、発注済の注文や当日約定された取引などを考慮して算出された額となります。
  • WEBサイト上の「維持証拠金(参考)」は、参考値として表示しています。
  • 当社SPAN証拠金(建玉のみを加味したSPAN証拠金)、およびネットオプション価値の総額は、約定ごとに再計算されます。

委託証拠金の引き出し

補足

  • 先物・オプション口座からの証券総合口座への振替可能金額は、先物・オプション建余力の範囲内となります。(振替可能金額=「受入証拠金」-「必要委託証拠金」-「拘束金額」)
  • 翌日扱いの振替は、当日15:15までの振替が翌営業日付、15:15以降の振替がよく翌営業日付で処理されます。そのため、信用取引で追加保証金が発生した場合に、先物・オプション取引口座から翌日扱いの振替を行っても、入金期日(発生日の翌営業日)に間に合いませんのでご注意ください。この場合は、メインサイトの入出金・振替>振替>「先物・オプション取引口座→証券総合口座(当日扱い)」からの振替をお願いいたします。

委託証拠金/プレミアム代金の前受け

  1. (1)先物・オプション取引の発注を行う場合には、当該注文が新規か決済にかかわらず、注文発注時における受入証拠金が、以下1.の条件を満たしていなければならないものとします。
    • 1. 受入証拠金が、必要委託証拠金と拘束金額の合計額と同額かこれを上回っていること。
    • 当社では、受入証拠金が上記1.の条件を満たしているか否かが即座に確認できるよう、「先物・オプション余力」という名称でWEBサイト上に表示しています。
      (先物・オプション余力=「受入証拠金」-「必要委託証拠金」-「拘束金額」)
    • 「先物・オプション余力」がマイナスの場合(つまり、1.の条件を満たさない場合)は、新規や決済にかかわらず、発注できません。発注のためには、「先物・オプション余力」が0円以上になるような金額を証拠金として差し入れる必要があります。
    • 「先物・オプション余力」はリアルタイムで更新されます。発注のために証拠金を差し入れる手続きを行っている間にも更新され、証拠金を差し入れたにもかかわらず、「先物・オプション余力」がマイナスとなることがありえます。したがって、発注のために証拠金を差し入れる場合には、余裕を持った金額にすることをお勧めします。
  2. (2)以下に定める場合は、(1)の1.の条件を充足していなくとも発注できるものとします。
    • 1. 当該注文が約定したと仮定した際に、必要委託証拠金が減少するような決済注文の場合。
    • 2. 先物・オプションの建玉を保有していない、またはオプションの買建玉のみ保有している状況におけるオプションの新規買い注文で、当該注文発注時の受入証拠金が注文発注後の拘束金額を上回る場合。
  3. (3)先物・オプション取引にかかる委託証拠金は、全額現金で差し入れることとします。
  4. (4)当社は必要に応じて、上記(1)から(3)までの規定を当社の独自の判断により変更できるものとします。
  5. (5)委託証拠金/プレミアム代金の前受けについての具体的計算方法など(前項の規定に基づく変更を含む)については、当社はWEBサイト上に表示することにより説明できるものとします。
  1. 1. 上記(1)に記載のとおり、前営業日の日中立会の価格(日中立会終了後に算出)を基準とし、発注済の注文などを考慮した必要委託証拠金に加え、当日の相場変動や取引手数料を加味して算出される拘束金額を証拠金として差し入れなければ、新規か決済にかかわらず、先物・オプション取引の発注はできません。
    特に拘束金額は、当日の相場変動を考慮するため、その金額はリアルタイムで変更されることになります。そのため、発注当日の一時点で受入証拠金が注文発注可能な額であったとしても、同日のほかの時点では受入証拠金の不足が生じることもありますので、ご注意ください。
  2. 2. 委託証拠金は前受けを原則としていますが、相場変動などにより、約定した結果、委託証拠金の差し入れが必要となる場合があります。
  3. 3. 当社は上記(1)に関連する情報の提供として、「拘束金額」および「先物・オプション余力」をWEBサイト上にリアルタイムで表示しています。
  4. 4. 上記(5)の規定のとおり、委託証拠金/プレミアム代金の前受けに関する事項につきましてはWEBサイトで説明しておりますので、必ずご確認ください。

臨時証拠金

  1. (1)当社は取引時間内において、日経平均先物直近限月が前営業日清算値比500円以上変動した場合は、売りオプション1単位あたり5万円の臨時証拠金を必要委託証拠金に加えることができることとします。
  2. (2)その他、当社は相場変動により、事前の通告無しに臨時証拠金を必要委託証拠金に加えることができることとします。

建玉数量の上限

補足

  • 未約定注文の数量も含め計算します。
  • オプション銘柄の買建玉には、建玉上限はありません。

建玉上限変更に伴う注意事項

  • 適用日以降に変更後の先物の建玉上限枚数、またはオプション売建玉上限枚数を超過されているお客さまについては、変更後の上限枚数を下回るまでは先物・オプション余力の有無に関係なく、新規建を行うことはできません。ただし、受入証拠金に不足などが生じない限り、変更後の建玉上限枚数を超過していても継続して保有いただくことは可能です。
  • 決済注文も発注できますが、バスケット注文の場合は、一括発注時に変更後の建玉上限枚数を超過した建玉があると、発注がシステム上で制限されます。お手数ですが、バスケット一括発注以外の注文方法を選択してください。
  • 当社が定める建玉上限枚数については、相場の変動状況などにより当社が任意に設定させていただきます。変更時には、当取引サイト、および重要なお知らせに掲載いたします。あらかじめご了承ください。

取引契約締結の方法

取引規制の方法

  • 制限値幅の縮小
  • 先物とオプションの違い
  • 証拠金の差入日時の繰り上げ
  • 証拠金額の引き上げ
  • 証拠金の有価証券による代用の制限
  • 証拠金の代用有価証券の掛目の引き下げ
  • 取引代金の決済日前における預託の受け入れ(オプションのみ)
  • 株価指数先物(株価指数オプション)取引の制限または禁止
  • 建玉制限

発注時のエラーチェック

  • 追加証拠金が発生している
  • 先物・オプション余力が不足している

補足

通常注文については、受入証拠金が拘束金額、および決済時の手数料よりも大きく、証拠金が減少する方向の決済注文は、上記のケースであっても発注可能です(バスケット注文は、証拠金の増減にかかわらず発注できません)。

先物とオプションの違い

指数先物・オプション取引を行うためには、現物の取引と異なり、建玉に対して決済の履行を確保できるようにするため、一定金額の証拠金を差入れる必要があります。ここでは主にOSE(大阪取引所)上場の日経225先物・日経225mini・日経225オプションに関する証拠金についてご説明します。

先物とオプションの違い
【もくじ】
証拠金が必要なポジション 証拠金の所要額
追加証拠金
当社の各サービスチャネルでの指数先物・オプションのお取引方法はこちら!

証拠金が必要なポジション

指数先物 買建・売建ともに証拠金を差入れる必要があります。
買・売いずれのポジションも予想が外れると損失が拡大するため、双方とも証拠金を差入れなくてはいけません。
コールの売・プットの売の場合に証拠金を差入れる必要があります。
オプションの売建玉は、予想が外れると受取ったプレミアム以上に損失が拡大する場合があるため証拠金の差入れが必要です。
オプションの買建玉は、はじめに支払ったプレミアム代金以上の損失は権利放棄により発生しないため証拠金の差入れは必要ありません(約定プレミアム代金の支払が必要です)。

証拠金の所要額

大阪取引所(以下:OSE)上場の日経225先物・日経225min・日経225オプションでは、証拠金の所要額にSPAN®証拠金を採用しています。SPAN®証拠金は、シカゴ・マーカンタイル取引所(以下:CME)の開発した証拠金の計算方法で、将来の損益に関するリスクのシミュレーション等を行うことにより求めた金額およびポジションの保有状況を加味して証拠金として差入れるべき金額を算出する仕組みです。

証拠金所要額=SPAN証拠金額-ネット・オプション価値の総額

■SPAN証拠金額
リスクのシミュレーション等により将来の相場変動により損失となる可能性があると算出された金額です。この額はOSEでは毎週見直しが行われています。その中でも、指数先物の建玉を1枚取引するために必要な金額はプライス・スキャン・レンジとして発表されます。
見直しに伴い、SPAN証拠金額が変更になった場合、既存の建玉の証拠金所要額もその額を基に計算されたものが適用されますのでご注意ください。

■ネットオプション価値の総額
オプションが権利行使された場合に生じるコスト等をカバーするために考慮される額で、買いオプション価値(プレミアム)の総額から,売りオプション価値の総額を差し引くことによって求めます。

ネット・オプション価値の総額= 買いオプション価値の総額-売りオプション価値の総額

買いオプション価値= ロング・ポジション(買い超建玉)×清算価格×取引換算額

売りオプション価値= ショート・ポジション(売り超建玉)×清算価格×取引換算額

日経225先物 買建3枚、売建2枚=買建1枚分の600,000円
(売買両建部分はリスクが相殺されるので1枚分の差入れ)

追加証拠金

証拠金として差入れている金額(委託証拠金)が、建玉の損失発生等により全体の証拠金所要額を下回ってしまった場合、追加証拠金(追証)として、証拠金所要額以上の額に達するまでの不足分を差入れていただく必要がありますので、余裕を持った証拠金および建玉でお取引していただきますようお願いいたします。

当社の各サービスチャネルでの指数先物・オプションのお取引方法はこちら!

  • 対面取引(店舗でのお取引)
  • コールセンター取引(お電話でのお取引)
  • インターネット取引(インターネット取引システムでのお取引)
  • 指数先物・オプション取引の価格は、対象とする指数の変動等により上下しますので、これにより損失が発生することがあります。
  • 指数先物・オプション取引は、差し入れた証拠金の額を上回る取引を行うことができることから、市場価格が予想とは反対の方向に変化したときは、短期間のうちに証拠金の額を上回る損失が生じるおそれがあります。
  • 指数オプション取引の買方は、期日までに権利行使又は転売を行わない場合には、権利は消滅し投資資金の全額を失うことになります。
  • 指数オプション取引の売方は、証拠金を上回る取引を行うこととなり、市場価格が予想とは反対方向に変化したときの損失が限定されていません。
  • 指数先物・オプション取引を行うにあたっては、以下の売買委託手数料をいただきます。
  • 指数先物・オプション取引を行うにあたっては、以下の証拠金(インターネット取引)を差し入れ又は預託していただきます。証拠金の額は、SPANにより先物・オプション取引全体の建玉から生ずるリスクに応じて計算されますので、事前に記載することはできません。

新規建てに必要な証拠金「未決済建玉および未約定注文について「ブル方向の証拠金所要額」と「ベア方向の証拠金所要額」の大きい方の金額-ネットオプション価値総額(新規建て最低必要証拠金:10万円)」が必要です。
ブル方向の証拠金所要額とは「先物買い」、「コールオプション買い」、「プットオプション売り」の未決済建玉および未約定注文に係るSPAN証拠金×当社所定掛け目(120%~200%)、
ベア方向の証拠金所要額とは「先物売り」、「プットオプション買い」、「コールオプション売り」の未決済建玉および未約定注文に係るSPAN証拠金×当社所定掛け目(120%~200%)です。

先物・オプション取引の利益は確定申告が必要?

先物・オプション取引の利益は確定申告が必要?

繰越控除の例

例えば、2021年に100万円の損失を出してしまったとします。損失が出たことを申告しておくと、翌年以降に利益が出たとしても2021年の損失と相殺して、課税所得を減らしたり納税額をゼロにしたりすることができます。

2022年には30万円の利益が出ましたが、2021年の繰越控除が適用となるため、課税所得はゼロとなります。2023年にも20万円の利益が、2024年には50万円の利益が出ましたが、いずれも繰越控除により相殺されて納税額はゼロです。なお、仮に繰越控除期間中に取引をせずに損益がなくても、繰越控除の適用を受けるには、毎年連続して確定申告をする必要があります。

先物・オプション取引の確定申告に必要な書類は?

<自分で用意するもの>

  • 印鑑
  • 年間損益計算書など、1年間の取引の損益が計算できるもの カードなどの本人確認書(下記表のA~Cいずれか)

先物・オプション取引の確定申告に必要な書類は以下の通りです。

番号確認書類本人確認書類
Aマイナンバーカード不要
B通知カード運転免許証
パスポート
在留カード
公的医療保険の被保険者証
身体障害者手帳
いずれかひとつ
Cマイナンバーカード記載の住民票の写し
または住民票記載事項証明書
パスポート
在留カード
公的医療保険の被保険者証
身体障害者手帳
いずれかひとつ

<税務署でもらうもの>

  • 確定申告書B(第一表・第二表)
  • 申告書第三表(分離課税用)
  • 先物取引にかかわる雑所得等の金額の計算書
  • 先物とオプションの違い
  • 納付書(金融機関で税金を納付する場合のみ使用)
    ※損失を繰り越す場合は上記書類に加え「申告書付表(先物取引にかかわる繰越損失用)」が必要

申告書第三表(分離課税用)の記入例

申告書第三表(分離課税用)の記入例

先物取引に係る雑所得等の金額の計算明細書の記入例

先物取引に係る雑所得等の金額の計算明細書の記入例

先物・オプション取引の利益は忘れずに確定申告しましょう

先物取引・オプション取引で一定の利益が出た場合は、確定申告が必要です。 税率は所得にかかわらず一律20.315%(所得税15%+住民税5%+復興特別所得税0.315%)です。

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